達磨大師との旅路
六世紀の始めインドから中国に渡り、禅宗の開祖(始祖)となった達磨大師の伝記に出逢ったのが21歳の時である。
達磨大師の教えとその生きざまに感動してから60有余年 共に語らい共に一生懸命に生きてきた。苦しいときも 辛いときにも 厳しい時代にも 楽しいときにも 幸せで豊かな時代になってからも 私の人生の傍らにはいつも達磨大師の崇高な姿があった・・・。
はたち(20歳)のころから集め始めた達磨の数が千八百余体、木彫りの達磨、石の達磨、焼き物の達磨、織物の達磨、繭の達磨、胡桃の達磨、張り子の達磨、こけしの達磨、福達磨等々。
この中には 友人、知人、親戚、兄弟、家族から戴いたものも沢山ある。自作のものも若干。米粒に描かれたとっても小さなものから日本全国各地の名のある達磨が並んでいる。
修行中の厳しい姿のもの、石の上に坐っているもの、鋭くいかめしい顔つきのもの ふくよかな優しい顔のもの、中には足を投げ出しているもの、あくびをしているもの おどけた滑稽な達磨様もある。ひとつひとつみな、顔かたちが違い表情は異なるが 私にとっては、どれもこれもみな心のこもった貴重なものばかりである。一体一体に特徴がありそれぞれが私の人生の旅路の中で懐かしく、その時代時代の思い出がある。
『日々是好日』。宇宙が、世界が、日本が、そして万物が平和で豊かな繁栄の日々が続くことを祈りつつ、明日もまた達磨大師と共に旅を続けたい。
平成5年 4月
米寿を迎えて 渡邉 三郎 記
渡邉 正 寄贈



